2008年7月19日土曜日

時間の変化の中で描くこと


授業がある平日は朝と夕に描いている。
風景画は時間の移ろいによる光の変化が大切で、もし一箇所だけにとらわれて描いていたら全体の光が変わってしまう。細部を細かく描くというより、写真では残せない全体の光の色を「カラースケッチ」として描いている。

昨日、丁度現在フィレンツェ市内の美術館でやっている古典から印象派絵画展を観に行った。
限 られた時間で色を作り、キャンバスに描いていく。実際に外光で描いていたコローやモネ、シスレーなどの光の印象の捉え方はすばらしい。モネはその場所に一 月後、時には一年後などに再び赴いて描いていたようだが、大きなキャンバスに特定の時間帯(特に朝夕は光が変わりやすく2、3時間が限度)の光を描くのは 大変なことである。また、常に天気が同じではないので、曇ったり晴れたり、暑さ寒さ、風、虫(特に蚊はつらい)等コンディションは様々。風景画はその場の 中で生まれる雰囲気や印象を残すことが大切なのだと思う。

授業では、実際の人物を描いている。モデルの人は慣れており、時間内にはほとん ど静止した姿勢を保ってくれている。自然光で描いているので、風景ほどではないが、これも時間の変化や、天候の変化で表情が変わる。そういう変化を丁寧に 追っていくと、質感というか実感がきれいに表すことが出来る。